浮気問題を解決するなら、探偵に依頼するのと別れさせ工作業者に依頼するのとどっちがいいの?

パートナーが不倫をしている…何とか穏便に解決したいけど、探偵に依頼するのと別れさせ工作業者に依頼するのはどう違うの?別れさせ工作業者に依頼した方が手っ取り早く解決できそうだけど、どちらが解決への近道?
『探偵』と『別れさせ工作業者』は、どちらも探偵業法(正式には「探偵業の業務の適正化に関する法律」)に沿って、探偵業の届出を行った上で営業を行う必要があり、一般の人の目には同じような業務に映るかも知れません。
しかし、実際には『探偵』の業務と『別れさせ工作業者』の業務は全く異なるものです。
長年探偵業に携わってきた知識と経験から、『探偵』と『別れさせ工作業者』の活動の違いや、 費用の違い、それぞれメリットデメリットやどんな人が向いているのかを細かく解説したいと思います。
探偵と別れさせ工作業者、どちらに依頼すれば良いのか迷っている方は是非ともご一読ください。
そもそも『探偵』ってどんな業務?
別れさせ工作業者の説明をする前に、まず『探偵』がどういった業務を行うのかを簡単に説明します。
第二条(定義) 他人の依頼を受けて、特定人の所在又は行動についての情報であって当該依頼に係るものを収集することを目的として面接による聞込み、尾行、張込みその他これらに類する方法により実地の調査を行い、その調査の結果を当該依頼者に報告する業務を行う営業をいう。
出典 探偵業の業務の適正化に関する法律等の概要 - 警視庁
ざっくり簡単に言うと、探偵業務とは『依頼者からの依頼を受けて、聞き込みや尾行、張り込みにより情報を収集してその結果を依頼者に報告し、その対価(報酬)を得る業務』です。 ここまでは、多くの人の理解とそう大きくずれてはいないと思います。
ポイントは、探偵業法で探偵に認められている調査手法としては『尾行』『張り込み』『聞き込み』基本的にこの3つのみという部分です。 探偵は、この3つの調査手法を駆使して、人探しや浮気調査などを請け負い、調査対象者の情報を収集して依頼者に報告を行うのです。
探偵と比較して『別れさせ工作業者』の業務は?

これに対して、別れさせ工作業者は、依頼を受けて夫婦や恋人同士を別れさせる業務を行っています。 具体的には、対象者に調査員が接触して疑似恋愛を演出し、夫婦や恋人同士を別れさせる方向に導くといった工作が行われる場合がほとんどです。
これだけ聞くと、別れさせ工作業者の業務は探偵業と何の関係も無さそうですよね。
しかし、調査員が対象者に接触する為には、対象者の行動パターンを把握したり、よく出入りする店舗を調べないと、容易に接触することはできません。 この為、接触前の段階で尾行や張り込みを行う必要があり、この調査手法を行う必要性から、別れさせ工作業者も探偵業の届出が必要となるのです。
探偵業とは全く異なる業務を行うにも関わらず、探偵業の届出が必要というのはなかなか理解しがたいですが、 ともかく、探偵と別れさせ工作業者はどちらも探偵業の届出が必要です。
そして、『探偵と別れさせ工作業者はどちらも探偵業の届出が必要』という共通点がある事から、探偵と別れさせ工作業者を兼業している探偵事務所が数多く存在しており、 これが『別れさせ工作業者』と『探偵』が時として混同されたり、同一視される一因となっているのです。
別れさせ工作業者は合法なのか?
ここまでで、探偵は『尾行や張り込み、聞き込み調査を駆使して、人探しや浮気調査等の調査業務を行う』、 別れさせ工作業者は『夫婦や恋人同士を別れさせる業務を行う』というところまではわかりました。
探偵は勿論ですが、別れさせ工作業者も業務を遂行する為に尾行や張り込みを行う必要がある為、探偵業の届出が必要です。
という事は、逆に言うと『探偵業の届出を行っている別れさせ工作業者の業務は合法』なのでしょうか?
結論から言うと、『探偵業の届出を行った上で別れさせ工作業者を営む事は合法ですが、その業務が合法であるとまでは言えない』というのが答えです。 何故こんな奥歯にものが挟まったような言い方をするかというと、別れさせ工作業者を営む事は合法ではあるものの、その工作自体は契約の内容や依頼する事情によって完全に合法とまでは言えないからです。
一例として、2015年11月9日に産経ニュースが報じた、別れさせ工作業者についてのニュースを引用します。


“別れさせ工作業者”の工作、一転「適法」 大阪地裁判断、依頼人に97万円報酬支払い命令
探偵業者が男女間の交際を終わらせるよう仕掛ける「別れさせ契約」が公序良俗に反し無効かどうかが争われた訴訟の控訴審判決で、大阪地裁(佐藤哲治裁判長)は9日、「契約が公序良俗違反とはいえない」と判断し、大阪市の業者が求めた報酬など約97万円全額の支払いを依頼人の女性に命じた。
1審大阪簡裁は「対象者の恋愛感情をもてあそび、人格的利益の侵害だ」として契約自体の公序良俗違反を理由に請求を棄却していた。
判決などによると、依頼人の女性は昨年9月、好意を寄せる男性の交際相手と考えていた女性を調査対象とする契約を業者と締結。男性工作員が対象女性と連絡先を交換すれば着手金90万円を、別れさせるのに成功した場合には報酬45万円を払う内容だった。
業者は調査員や費用を使って対象女性の尾行や張り込みをして自宅と通勤ルートを確認。自ら工作員として声を掛け、約10日後に偶然を装って再会を演出した。食事の誘いに応じて、電話番号も交換。その後も無料通信アプリLINE(ライン)でデートを約束し、この女性はフェイスブックに出会いを喜ぶ書き込みをしていた。
その後、対象女性と好意を寄せる男性が実際には交際していないと依頼人自身が気付き、工作の中止を業者に求めた。
佐藤裁判長は契約内容を「倫理的な非難の余地は十分ある」として公序良俗違反に当たるかを検討。対象の女性らが独身だった上、工作の過程で性的関係を持つなどの方法も予定していなかったと指摘し「実際に関係が終了するかは対象者の意思次第で、業者が別れさせる目的を達成できる可能性が高いともいえない」と判断、今回の例は該当しないと結論付けた。
1審大阪簡裁では、公序良俗違反を理由に請求を棄却、つまり別れさせ工作業者の業務(別れさせ工作)に違法性があるとして原告の請求を棄却しましたが、 控訴審判決では別れさせ工作業者に報酬の支払いを求める、つまり別れさせ工作業者の業務は適法と判断しています。
このニュースを読み解くと、本件の主たる争点が『別れさせ契約』が公序良俗(民法90条)に違反しているか否かという事がわかります。 つまり、別れさせ工作業者の存在自体に違法性はないが、別れさせ工作業者との契約が公序良俗に違反する場合は違法となるのです。
何をもって『公序良俗に反する』というのは民法では具体的に示していませんが、一般には、「社会的妥当性」のないもの或は「社会的相当性」のないものと解釈されています。
但し、これは別れさせ工作業者に限った話ではなく、探偵業界を含めた構造的な問題です。
探偵も別れさせ工作業者と同様に、その存在自体は違法でも何でもありません。 法律の範囲内で調査活動を行なっているのであれば、何の問題もありません。
しかし、時として探偵事務所も違法調査に手を染め、行政処分を受けたり刑事罰を受けることがあります。 別れさせ工作業者と程度の違いはあれど、結局は探偵も別れさせ工作業者も、それを営む会社のコンプライアンスとリテラシーが最も重要なのです。
探偵と別れさせ工作業者の関係は?

別れさせ工作業者の存在は、それ自体が違法になる訳ではないが、別れさせ工作業者との契約が公序良俗に違反する場合は違法となる事がわかりましたが、 探偵業者は別れさせ工作業者をどのように捉えているのでしょうか?
一般社団法人 日本調査業協会のサイトに、別れさせ工作業者についての見解が明確に述べられていますので、ここに引用します。
一般社団法人日本調査業協会は平成14年10月に「自主規制」を設け、加盟員には「別れさせ工作業者に準じた事案については絶対にこれをしない」という事で、教育研修会で「受件をしない」及び広告適正委員会で不適切文言として「広告掲載はしない」との指導をしてまいりました。今後も、私共はこのような悲惨な事件が起こらないように努力をしてまいります。
出典 別れさせ屋等の根絶 - 一般社団法人 日本調査業協会
なぜ、この事案を自主規制で設けたのか。
1、公序良俗に反する。
2、調査手法によっては様々な他の法律(刑法・弁護士法・民法等)に抵触する恐れがある。
3、この事案は依頼を受けた業者のみならず、依頼者も法の処罰対象になりうる可能性がある。
平成19年6月「探偵業の業務の適正化に関する法律」施行後は、第6条(探偵業務の実施の原則)によって「人の生活の平穏を害する等個人の権利利益を侵害することがないようにしなければならない」とされています。
一般社団法人日本調査業協会はこの種の「・・工作」は、探偵業務とは認めておりません。 今後、関係機関と連携を保ち「・・工作」等の根絶を図ってまいります。 消費者の皆様方もこうした事案については、依頼することのないようにしてください。
加盟員に対して、別れさせ工作業者に準じた事案を受任、広告掲載をしないよう自主規制を呼びかけている事からもわかるように、 一般社団法人日本調査業協会としては明確に別れさせ工作業者を認めないという姿勢を取っています。
もちろんこれは一般社団法人による自主規制の為、これに加盟していない探偵業者が別れさせ工作業者を営む事を制限するものではありません。 (実際、別れさせ工作業者を営む業者の大半は、一般社団法人日本調査業協会の加盟員ではないと思います)
しかし、探偵業界に一定の影響力を持つ一般社団法人日本調査業協会が『別れさせ工作業者を認めない』というのは重みがありますよね。 その存在自体に違法ではないにせよ、別れさせ工作業者の業務や工作に様々な問題がある事は、一般社団法人日本調査業協会の見解から容易に見て取れます。
別れさせ工作に要する費用は?
では、別れさせ工作業者に依頼した際の費用は一体どれくらいになるでしょうか?
別れさせ工作業者の料金体系は探偵以上に不透明で、且つ工作に要する時間も探偵の調査以上に読めませんので、一概には言えないというのが正直なところですが、 一般的な別れさせ工作業者では、1日の稼働(調査・工作)で2~3名の調査員が動き、おおよそ6万円~8万円の単価が設定される場合が多いというのが筆者の印象です。
1稼働が6万円~8万円という事は、20日間稼働したと仮定すると120万円~160万円です。
但し、これはあくまで稼働で料金を算出する一般的な別れさせ工作の話です。 こういった稼働単位ではなく、『一式で〇〇万円』といったセットの料金体系や、『着手金で〇〇万円+成功報酬で〇〇万円』といった成功報酬の料金体系の業者も存在します。
このようなセット料金や成功報酬の別れさせ工作業者は、筆者の知る限りは大体総額で100万円~250万円と提示してくる場合が多いと思います。 (成功報酬の場合は着手金を含む総額です)
上記のように、別れさせ工作業者の料金は探偵業界以上に混沌としており、業者によって千差万別で、相場のようなものはありません。
強いて言うなら、別れさせ工作の相場は100万円~250万円くらい…といった感じですが、長期に渡る工作や、複数の工作を同時に平行する場合はこの限りではなく、 250万円を優に超えるケースもあると聞きます。
別れさせ工作業者に依頼して起こり得るトラブル

別れさせ工作業者と探偵は、どちらも探偵業の届出が必要という事があって、その両方を兼業している業者が多く存在している事から、 別れさせ工作業者とのトラブルは探偵のものと似通っています。
但し、探偵業以上にグレイな業界という事もあり、トラブルの多さは探偵のそれを遥かに凌駕している印象です。 これは、先の説明の『一般社団法人日本調査業協会は別れさせ工作業者を認めていない』という事実からも見て取れると思います。
実際に別れさせ工作業者との契約でよく聞かれるトラブルとしては
・契約後に音信不通になる
・やたらと追加料金を請求される
・相手の強い意志で別れさせるまでに至らなかったが、返金されない
・実際に契約に基づいた活動しているかわからないが、料金を請求された
こういった声がよく聞かれます。
そもそも、事実を事実として『ありのままを明らかにする』ことを目的とした探偵の業務とは異なり、 別れさせ工作業者は『相手の心変わりをさせること』が目的ですから、探偵以上に、調査員の容姿やコミュニケーション能力、スキルやその時の状況によって成否が大きく左右されます。
従って、別れさせ工作が成功するもしないも業者や調査員次第で、 また高額な費用がかかる事から、必然的にトラブルが多いというのも頷けます。
まとめ
繰り返しになりますが、別れさせ工作業者の存在は、それ自体が違法になる訳ではありません。
しかし、長年探偵業に携わってきましたが、『別れさせ工作業者に依頼して良かった』という声を聞く事はあまり無く、 むしろトラブルに見舞われた話の方がよく聞かれました。
これは、私が携わってきた探偵業が『別れさせ工作業者に依頼して失敗した』受け皿になっている事もあり、 偏った声しか聞こえていない可能性が考えられますし、私が探偵業界に携わっていたのは数年前の話なので、現在は違うのかも知れません。
実際に別れさせ工作業者がこれだけ営業しているという事は、 世の中にニーズがあり、依頼して成功した人も相当数いるのではないかと思います。
しかし、2022年現在でも別れさせ工作業者にまつわるトラブルは大変多いのも事実。
もし依頼するとしても、仲の良い知人の紹介など、信頼できる業者を選び、 『実際に事務所でよく話を聞く』、『契約書を確認する』といった基本的な確認を怠らないようにしましょう。
そもそもの話ですが、探偵であっても別れさせ工作業者であっても『あなたの望む解決へ向かう選択肢の一つ』でしかないという点は意識しておいた方が良いです。
例えばあなたが『パートナーの不貞行為を止めさせて復縁』を望む場合、仮に別れさせ工作業者と契約して現在の不倫相手との関係を断ち切ったとしても、 パートナーは高い確率で別の人と不倫に及ぶでしょう。それでは根本解決とは言えないですよね。
それでもパートナーを信じて一回別れさせ工作業者による工作を…と考える気持ちも理解できますが、 根本解決を望むなら『パートナーの不貞行為を明らかにして、反省を促して復縁をするか、または関係を解消するか』を選択した方がずっと建設的だと筆者は考えます。 或いは、費用の捻出ができないから探偵や別れさせ工作業者に依頼せず、時間をかけて家族でじっくり解決していく…という選択も当然あって然るべきだと思います。
探偵に依頼するも別れさせ工作業者に依頼するも、或いはどこにも依頼せずに解決するも、あくまで『浮気・不倫問題を解決する』という目的を達成する為の只の選択肢です。 目的と手段が入れ替わったり混同しないよう注意し、あなたの望む解決方法を模索するようにしましょう。
重ね重ねになりますが、別れさせ工作業者にまつわるトラブルは大変多く報告されていますので、 十分に注意し、熟慮を重ねた上で決断する事をお勧めします!
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